不思議なお話NO13 「偶然の出会い」そして「縁」について

  これまで、縁にまつわる様々な話を紹介してきましたが、今回は、縁について、僕が考えていることを述べたいと思います。
 実をいいますと、僕は不思議な出会いというものを、誰もが体験しているとばかり思っていたのです。ですが、友人達にこうした話をすると口をそろえて、自分にはそんな経験がないと言います。
 と言うことは、僕は普通の人とはちょっと違うということになり、では、何故、僕がそうした不思議な体験をする体質になったのか、いろいろ考えました。すると、もしかしたらあのことが原因か、と思い当りました。それについては、いずれ書くつもりですが、今回は、とりあえず脇に置いておきましょう。

 以前、何かの本に次のような記述がありました。「不思議な偶然は、神様の存在を気づかせるために、偶然を装ってそこに配置されている」というものです。面白いとは思いますが、神様を引っ張り出してくるのはちょっと大袈裟な気がします。
 僕の考えを、この言い回しに適用するとこうなります。「偶然の出会いは、縁を思い起こさせるために、偶然を装ってそこに配置されている」と言うことです。僕としてはこの表現の方がぴったりとくるのです。
 それと、もう一つ。そんな偶然に出逢ったことがないとおっしゃる方に、言いたいのですが、実は、不思議な偶然は誰にでも起きているのです。でも、めったにそれに気づきません。僕の小説「シンクロニシティ10」を最後まで読み下さった方は、なるほどそのことかと合点がいくと思います。
 その小説の中の一場面、事件が解決した後、主人公が行方不明だった妻を迎えに行く場面です。

 妻は迎えに来た夫の姿を認めて涙が止まりません。妻はスパーでレジを打っていたのですが、気持ちが高ぶって、手が震えてうまく打てないのです。そのレジには長い列ができています。
 それを見た店長が、その妻に代わりレジ打ちを引き受けます。夫の元へ小走りに去ってゆく女性を目で追いながら、店長は、淡い恋の終わりを自覚しました。
 実は、この店長こそ、20年前、主人公を不幸のどん底へと陥れる陰謀の一翼を、知らずに担わされた人物だったという設定です。僕としては、この三人(主人公、妻、店長)と主人公の元妻は前世でも、その関係性の強弱に応じた縁を持っていたと想定して小説を書いています。
 
 不思議なお話No6で、僕が輪廻転生論者であることを表明し、そして、不思議なお話No10では、「偶然の出会い」と「縁」は切っても切れない関係にあり、その縁は輪廻転生にも絡んでくる」と、そして、先ほど、「偶然の出会いは、縁を思い起こさせるために、偶然を装ってそこに配置されている」と、それぞれ書きました。太字にしたところをもう一度読み返してみてください。
 僕が何を言いたいのか、お分かり頂けるでしょうか。実は、僕は縁のある人というのは、輪廻転生を一緒に繰り返す仲間だと思っているのです。ですから、最近、多少の縁でも、縁は縁ですから、縁のある方を大切に思うことにしました。こんな風に、僕の気持ちを変えさせるために、不思議な偶然は、偶然を装って僕の行く手に配置されていたと思っているのです。

 さて、ある人は、@心から貴方ののためを思って、Aある人は思ったらすぐ口にする性格から、Bある人は嫌みを言いたくて、Cまた、ある人は憎しみを抱いて、貴方の本質をずばり指摘して、貴方の反省を促します。
 それらに対する貴方の反応も、貴方に意見したそれぞれの人々に対する試練となり、互いの成長を促し合っているのです。どうでしょうか?そう考えれば、みんな仲間だとは思いませんか?
 何度も繰り返される輪廻転生、それを支え合う仲間との愛憎、それを思うと、憎しみを抱いた相手さえ、愛おしく思えてきたのです。
 その仲間からの苦言を受けいれやすい順に@〜Cまで番号を付けてみました。貴方は何処まで素直な気持ちで耳を傾けることが出来るでしょうか?僕の場合、正直に言いますと、せいぜい@Aまででしょうか。たとえ愛おしく思うようにしていても、ついかっとなってしまうのです。生来、かっとしやすく鼻っ柱が強いと言うことです。道程は遠いと言うしかありません。
 ところで、「死からの帰還」に関する本を何冊も読みましたが、その中で妙に印象に残っているエピソードがあります。これを語ったのは自動車事故で死線を彷徨った、あるトラック運転手です。このお話を紹介して、今回のお話を終了したいと思います。次回は僕が何故輪廻転生を信じるに至ったかについて述べるつもりです。

              ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 彼は、まだ死にたくなかったのです。一人娘を心から愛していました。せめて、その子の花嫁姿を見るまでは死ねないと思っていたのです。
 そこは集中治療室で、手術を施す先生方の声やメスその他の器具がたてる音も聞こえていたそうです。
 ふと見ると、集中治療室に人が入ってきます。なんとそれは昨年亡くなった伯父でした。ずいぶんと世話になった方ですから、恐らく自分を迎えに来たのだと思い、そうなのかと問うと、首を縦に振ります。彼は伯父に必死で自分の思いを訴えたのです。今死ぬわけにはいかない、娘の花嫁姿を見るまで待って欲しいと。
 それを聞いていた伯父がこう言ったというのです。
「分かった。自分達がこの世に生まれ変わるまで、まだまだ時間がある。だから大丈夫だ」と。そして、意識を取り戻したというエピソードです。

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