不思議なお話NO18 亡き友からのメッセージ1

 最初に、今は亡き友人Kがどんな人間だったのか、簡単に紹介したいと思います。
 亡くなったのは今から2年ほど前の冬でした。プラットホームで電車に接触し、頭蓋骨陥没で意識不明となり、3年間、植物人間のまま入院を続け、そしてあの世に旅立ちました。

 とにかく、良い奴でした。いつもにこにこ笑いながら人の話を聞いてくれて、冗談が好きでよく笑い、そして出しゃばりもせず、かといってその他大勢の中に埋没するわけでもなく適度に目立って、どんな頼み事も厭な顔せず引き受けてくれる、そんな何処にでもいる、ごく普通の良い奴でした。でも、いなくなって初めて分かったのですが、彼の存在は途方もなく大きかったということです。いってみれば人々を結びつける要のような存在だったのです。

 これから、亡き友の二つのメッセージを皆様にお伝えしたいと思います。今回は、これまで僕が皆様にお伝えしてきたことと同じメッセージ、縁についてです。
 さて、彼の最初のメッセージを伝えるにあたり、その人間関係が複雑過ぎて、文才のない僕にはうまく表現しきませんので、3人の登場人物の紹介から書かせてもらいます。

登場人物No1 ミリオ君(本名)
 僕の前職の部下です。当時、僕の本来の役職は或る地方の営業事務所長ったのですが、本社の営業管理課長を兼任することになり、ゼネコンの営業マンだったミリオ君が雇われ、副所長として実質的に営業事務所を統括したのです。

登場人物No2 リュウドウ君(通称)
 高校の同級生です。僕が最初の会社を飛び出した時、既に結婚していましたから生活費を稼がねばならず、リュウドウ君に頼んで彼の会社でアルバイトをさせてもらったことがあり、今、6社目の転職先で再会したのです。

登場人物No3 天ちゃん(通称)
 小学校以来の友人です。友人Kを含めた高校時代の仲間5人の飲み会に、偶然を装って闖入する天ちゃんを、姿を見せない時など、みな「今日は天ちゃん、来ないのかなー」などと言うほどに、5人プラスワンの地位を獲得していた男です。

 それでは、今は亡き友からのメッセージ1をありのままに述べることにします。

 仲間内で、最初に友人Kの事故を知ったのは、僕の幼馴染みの天ちゃんでした。実は、天ちゃんの飲み友達の一人がたまたま友人Kの幼友達で、その彼が最初にその事故を聞きつけ、その情報は天ちゃんへ、天ちゃんから僕らの飲み仲間5人のメンバーの一人に、そして最終的に僕にをもたらされたました。
 次に僕に電話してきたのは、ミリオ君です。実は、ミリオ君は、小中学校が友人Kと同じで、やはり幼友達だったのです。最初に上司と部下という関係で飲みに行ってそのことを知った時、その偶然に二人して驚いたものです。

 そのミリオ君が言います。
「俺の友達が病院に見舞いに行ったんだ。頭に包帯巻いてけど、顔は綺麗なままだって。でも、意識はないみたいだ。俺は、明日、友達と行くつもりなんだけど、安藤さんも、行くんだろうから、様子知らせるよ。それじゃあ」
 次に電話してきたのはリュウドウ君。
「安藤、知ってるか?Kが電車に接触して入院したって」
 僕は知っていると答えて、何故事故を知ったのか恐る恐る聞いたのです。天ちゃん、そしてミリオ君の二人が友人Kと繋がっていたからです。すると、またしても驚きの答えです。
「俺の、大学のサークルの仲間がたまたまKの幼友達でよー、事故を知って俺に連絡くれたんだ。それより、何処に入院してるか知ってる?その友達もその情報を知りたがっているんだ」
 僕は、ミリオ君から聞いた、病院名を教えてあげました。
 数日後、またリュウドウ君から電話がありました。リュウドウ君の友人が、教えられた病院に行ってみると、既に転院していて病院にはいなかっと言うのです。
 僕はすぐさまミリオ君に電話を入れました。ミリオ君の答えはこうです。
「そうらしい、転院するって奥さんが言っていた。でもその時はまだ転院先は決まっていなかったんだ。分かった、奥さんに聞いてみる」
といった案配で、最終的な転院先が分かり、リュウドウ君に転院先を教え、そして僕も友人と二人して見舞いに行くことになったのです。

 これって不思議だと思いませんか?友人Kの幼友達が、僕の人間関係の孫のように配置されていたのですから? これを逆に友人Kを中心に置いてみると、彼をを中心に人間関係のネットワークが構築されていたことになります。
 「でも、みんな近場の出身者なんだから、そういうこともあり得るんじゃないの?」
という反論もあると思います。
 確かに近いことは近いのです。僕からすると友人Kとミリオ君は駅で言えば二つ先、リュウドウ君は同じ町、天ちゃんは隣町ですから。
 ですが、僕が勤めていたのは東京の会社で、その会社の求人にミリオ君が応募し雇われたこと自体が不思議ですし、リュウドウ君が友人Kの幼友達と知り合った大学は、東京の、しかもマンモスと形容されほど学生数が多いのです。また、高校の違う天ちゃんが、何故僕らの集まりに参加するようになり、第一報を皆に伝える役割を担ったのか? そう考えてくると、やはり不思議としか言いようがありません。

 その後、僕は友人と共に友人Kを見舞いに行った時のことを小説に書きました。あくまでも、僕の秘め事として、思い出したときに読むための小説ですが、その中で、この不思議な関係を「天網恢々疎にして漏らさず」と表現したのです。僕は基礎学力がありませんので、こうした間違いを時々犯します。
 でも、後日、友人Kは僕にこの表現を訂正するよう導きました。それはそうですよね。この表現は、「悪事を、天は見逃さない」という意味ですから。僕は、彼がこの小説を読んでくれていたと知ってどっと涙が溢れました。
 僕が、これまで不思議な出会いをしつこく皆様にお伝えしてきた訳がお分かり頂けましたでしょうか? まるで、友人Kが僕の不思議な体験を知っていて、そっと背中を押しているような気がしました。まだあやふやだった僕の縁に関する考えに、確信が持てるよう力を添えてくれているように思えたのです。その考えに間違いはないぞってね。

 それから、彼について、「人々を結びつける要のような存在」と表現しましたが、これはこういうことです。
 人はそれぞれの縁を持ち、その縁が幾つも繋がってゆき、最終的には全人類を結びます。そして複数のその縁の輪を結びつける存在、縁の要となる存在が特別に配置されていると思うのです。彼は、間違いなくそういう存在でした。
 友人Kの死を境に、先に述べた「友人Kを含めた高校時代の仲間5人の飲み会」も、残り4人で集まることはなくなりました。5人を結びつけていたのは、もしかしたら友人Kだったのでしょうか?
 また、彼の死は多くの方に衝撃を与えました。そしてその情報は瞬く間に大きな範囲に広がりをみせ、どちらかと言えば友人が少なく、携帯電話も滅多に鳴らない僕にまで伝わってきたのですから、凄い奴だと思うほかありません。

 さて、次回の話は、このホームページを立ち上げるきっかけとなった彼の二つ目のメッセージをお伝えいたしたいと思います。こんな話をすれば、「こいつ気が触れてんじゃねえのか」と思われるのが怖くて、酒が入ったときだけ、気が向いたときだけ、人を選んでお話ししていたのですが、やはり、多くの方にそれを知って頂きたいという衝動は抑えがたいものがあり、このホームページを立ち上げたのです。
 でも、この話を紹介してしまうと、後は何も書けなくなるような気がして、寂しいのですが・・・・・。(まあ、いいか!) でも、ちょっと時間を下さい。その間に別の話を入れるかもしれません。

HPランキングにご協力をお願いいたします

   

inserted by FC2 system